激遅GPRSでもSkypeは可能


Symban Nokiaでfringを使えばGPRSでもSkype音声通話可能なのは確認済みでしたが、これはSkype独力で通話が可能になっているとはいえません。少なくとも、ナイジェリア側Nokia端末からfringサーバまではSkypeではなくfringのシステム(たぶん、SIP?)でパケットをやり取りしていますから。
Skypeそのものも、本来、ナローバンドに滅法強い設計になっているはずなので、なんとか使えるようにしたいと思っていました。
Skype for PPCなどではSkypeの性能以前に、モバイル端末のハード性能に引き摺られてしまって不利になるので、Skype for Windowsを使い、Windows PC側では通信するアプリを全部シャットダウンします。その上で、日本のブロードバンド環境下のSkype for WindowsとPSTNの固定電話にかけてみました。
Skype宛ての通話では遅延はあるものの、音声は双方クリアで、正常な会話が可能でした。画像の通り、SVOPCのCodecが選ばれています。SVOPCはSkypeがVer3.2あたりから採用した新たな独自Codecで、ブロードバンド環境同士の場合によく選ばれるのですが、ナローバンドでも使えることが分かりました。たまたまでしょうが、リレー0で、つまり、間に他のコンピュータを経由することなく、ダイレクトのPie to Piaで繋がっています。
続いて、日本の固定電話にSkype Outでかけてみました。こちらはG729のCodecが選ばれました。ナローバンド専用のCodecです。音質はそれほどよくないですが、その分遅延はないといわれます。実際、こちらも十分に通話可能でした。

続いて、同じ環境でAGEPhone x WebCallDirectでPSTN宛ての通話を試みました。AGEPhoneのバージョンはもっとも新しい1.70です。画面ではSTUNが通っていませんが、これは不安定のようで通ることもあります。実際のところ、STUNが通らないままでも通話可能でした。ただし、音声は双方ひどいロボットボイスで、会話にならず。WebCallDirectはナローバンドのG729に対応していますが、AGEPhoneは正式対応しておらず、GSM Codec(はっきりってダメCodec)でナローバンドを処理します。そのせいじゃないのかなあ?純正のWebCallDirectのPC用ソフトを使えばG729を生かせるはずですが、このアプリがまたバグバグで、使いものにならないので、現時点では八方塞がりかも。
こちらで一番確実にVoIP通話を実現する方法はWebCallDirectのアプリなしでPhone to Phone通話を利用することです。つまり、ウェブ上からナイジェリアと日本の双方に電話をかけて二回線を接続する一種の三者通話です。これなら、こちらのネット環境がいくらしょぼくても無関係なので。通話料は多少嵩みますが、しょうがなく一番多用しています。