Nokia、開発部門まで日本から撤退に思う

ウィルコムが禿に買い取られるなんて、Nokiaの撤退に比べれば、本当にどうでもいい、アホみたいなできごとです。ウィルコムは企業として、経営に失敗し、失敗した企業が辿る正しい末路を歩んでゆくだけですからね。そういう企業が延命する事態の方がずっと深刻です。JALとかね。
翻って、Nokiaの方は、経営に失敗したから日本を出て行くわけではありません。日本が世界経済の中で生き残る道を誤り続け、回復の見通しが立たなくなったから、見捨てて出て行くことにしたのです。特に、去年の端末販売からの撤退と違って、開発拠点の撤退という事態は、日本がもはや、Nokiaに技術力を提供する力を持っていないと判断されたに等しいです。
思えば3年前、私が「技術顧問」をつとめていた東京都大久保のL&K社・社長らが警察に逮捕され、全国的に「SIM Lock解除」が犯罪であるかのように報道されたときが分かれ道だったのかも知れません。事件のあと、釈放されたL&K社長は、日本でSIM Lock解除の仕事を続けることに見切りをつけ、新たな、別の事業を始めるために故郷の中国に帰国されました。つまりそれは、やはり、私たちの方が見捨てられたことだったのだと思います。去年の時点では「2010年にSIM Lock解除」などと報道されましたが、今はどうなることか分かりません。その動きを進めていた自民党は政権の座から去り、今はNTT労組の幹部が新政府の総務副大臣です。つまり、自民党でもそこまで露骨にはやらなかった利権政治に大きく後退してしまいました。